道路は本来、通行するためのものです。事実、道路交通法第76条は「何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない」と定めており、道路に物をお置いたり、人を傷つける恐れがある行為を禁止しています。
しかし、街を見まわしてみると、通行すること意外にも利用されていることが分かると思います。
例えば、マラソンコースになっていたり、カフェのオープンテラスになっていたり、屋台が所狭しと並んでいたり、もしくは工事が行われたりしています。
これは、公益上又は社会慣習上道路を使用することがやむを得ないものについては、交通に支障がないと認めた場合に限り、通行以外の使用を認めているのです。
このように、道路を通行以外の目的のために使用することを「特別な使用行為」といい、この「特別な使用行為」をしようとする者は道路使用許可が必要となります。
ちなみに、道路本来の目的に従って通行の為に使用することを「一般使用行為」といいます。
道路使用許可が必要な行為
次にいずれかに該当する行為をしようとする者は、その行為を行う場所を管轄する警察署長の許可を受けなければなりません。
- 道路において工事もしくは作業をしようとする行為
- 道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為
- 場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為
- 道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為
道路使用許可の必要書類
道路使用許可の必要書類は、各都道府県により異なっていますので注意が必要です。一般的に必要とされる書類は以下の通りです。
- 道路使用許可申請書
- 道路の見取図
- 設計図・仕様書(工作物を設ける場合)
- 保安対策図
- 交通整理員配置図
- 看板等配置図
- 工程表
- 他の官公署の許可書(必要に応じて)
許可証の交付
道路使用の許可がされると、許可証が交付されることになります。
許可証の内容に変更が生じた場合、所轄の警察署長に届け出て変更の手続きをしなくてはいけません。
また、万が一紛失したり破損してしまった時は、再交付を受けることができます。
道路の使用が終わった後の対応
道路の使用が終わったり、許可が取り消された時は、速やかに工作物を除去し、道路を原状回復させなくてはいけません。
罰則について
通行意外に道路を使用する場合に許可を得ることは、法律上の義務ですから、違反すれば罰せられることになります。
無許可で道路を使用した場合
無許可で道路に工作物を設置したり工事を行ったりした場合、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法119条)
現状回復を怠った場合
道路の使用が終わった時や許可の取消しがあった場合は、道路を現状回復しなければなりません。これを怠ると、5万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法120条)