農地転用の許可申請では、添付書類として「資力があることを証する書面」が求められることがあります。
農地転用の必要書類についてはこちらで詳しく解説しています。
これは、農地転用の許可要件の一つに、「転用事業が確実に行われること。」というものがあり、転用事業を行うために必要な資金がきちんと確保されているかどうかを確認する必要があるからです。
農地転用の許可要件についてはこちらをご覧ください。
しかし、法定添付書類ではありませんので常に提出が求められるというわけではなく、従来、法人が申請者となる場合は大抵必要であったものの、個人が申請者となる場合は事業資金が数千万単位となる場合に限って求められる程度で、市町村によってもその取扱いにバラつきがありました。
ところが、国の指導によりその取扱いが変更され、愛知県では平成29年4月1日から、個人が住宅を建設する場合において、全ての農地転用許可申請に「資力があることを証する書面」が必要となります。
資力があることを証する書面の例
では、資力があることを証する書面とは、具体的にどのような書面のことでしょうか?
愛知県農林水産部は次のような書面を例示しています。
自己資金による場合
- 金融機関の残高証明書
- 預貯金通帳のコピー(名義人と残高の分かる部分)
預貯金通帳もコピーについては、表紙と現在の残高が記帳されているページのコピーを提出すれば足りるでしょう。
借り入れによる場合
- 融資証明書
- 融資申込書のコピー
- 事前審査結果通知
- 借証書(金融機関以外から借りる場合)
- 金融機関の担当者等による証明書
金融機関の担当者等による証明書
金融機関の担当者による証明書の様式が愛知県農林水産部より示されていますのでご紹介します。
(借入希望者)
住所
氏名 様
金融機関名______________________
担当者名______________________㊞
電話番号_________________________
当方では現在、あなたから個人用住宅建設に必要な資金の融資について下記の内容で相談を受けております。
1.借入希望額
2.住宅建設予定地
証明者の印は金融機関または金融機関の担当者のいずれかの押印が必要です。後から訂正ができるように捨印を余白に押印してもらっておくと良いかもしれません。
なお、金融機関等に既存の様式がある場合は、そちらを利用してもかまいません。
申請者と口座名義人または融資を受ける者が異なる場合
申請者と資金を拠出する者が異なる場合は、次の書面を添付することになります。
例えば、親が資金を準備している場合などです。
- 戸籍謄本・住民票など
これらの書面により、申請人との続柄を調べるなどして、両者が異なることについて合理性があるかどうかを審査することになっています。
まとめ
添付書類が増えることによって、これまでより手間がかかってしまうかもしれませんが、きちんと計画を進めていれば入手が困難なものではありませんので、それほど支障はないと思います。
反対に、中途半端な計画で「とりあえず許可さえあればよい。」という者は排除されることになるでしょう。
各種証明書は交付されるまで一定の時間がことが予想されますので、早めに請求しておくことをお勧めします。