農地転用をするうえで、転用予定の農地が市街化区域内にあるのか、それとも市街化調整区域内にあるのかは、とても重要なポイントになります。
市街化区域とは
市街化区域とは、すでに市街化している地域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき地域のことです。
イメージとしては、中心街の駅周辺や、店舗や集合住宅が集中しているようなところです。市町村の中で、積極的に開発が進んでいる地域のことです。
市街化調整区域とは
市街化調整区域とは、開発を抑制すべき地域のことで、市街化区域とは対照的に田畑が広がっていて、下水道や都市ガスといったインフラ整備があまり整っていないような地域のことです。
郊外にある田舎の地域と言った方が分かりやすいかもしれません。
「届出」と「許可」の分岐点
市街化区域と市街化調整区域の違いは、農地転用において届出と許可の違いとなります。
市街化区域⇒届出
転用予定地が市街化区域内にある場合、農地転用は「届出」をすれば足ります。
前述した通り、市街化区域は積極的に開発を進めていく地域なので、農地を他の目的に使用することに対しての規制も緩くなっています。
したがって、その手続きも比較的容易で、ご本人で申請することも不可能ではありません。
書類を審査するのは農業委員会です。申請するとすぐに審査が開始され、約2週間程度で完了します。
市街化調整区域⇒許可
転用予定地が市街化調整区域内にあるときは、「許可」が必要となります。これは、都道府県知事の許可のことです。
市街化調整区域は、開発を抑制すべき地域ですので、農地を他の目的に使用することに対して厳しく規制されることになります。
許可の場合、届出に比べて提出する書類の量が格段に増えます。また、農業委員会を経由して県で審査をしますので、申請から約2ヶ月程度の時間がかかります。ご本人での申請は大変な作業になるでしょう。
市街化区域と市街化調整区域の確認は最初にする!
農地転用の予定地が市街化区域内にあるのか市街化区域内にあるのかの確認は、1番最初にするべきことです。これは、私たち専門家もやっています。
前述の通り、農地転用においては手続きの難易度が大きく変わってくるからです。難易度がかわると、手続きにかかる時間や費用、その後の計画にも影響を与えます。
市街化区域と市街化調整区域の確認方法は、各市役所の「都市計画課」にて行います。担当職員に調べたい旨を申し出れば親切に教えてくれます。この時、あらかじめ住宅地図などを持っていき、土地を限定しやすくするように準備しておけば、担当者もスムーズに調査することができるので、待ち時間が短縮できます。
調べ方がよく分からない方、自信がない方はぜひ弊所にお問い合わせください。丁寧にご説明いたしますし、代行も可能です。