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遊休農地の活用① 農地中間管理機構(農地集積バンク)

機構農地の活用方法として最初に思い浮かぶものといえば、やはり太陽光発電ではないでしょうか。

おそらくあなたも、野立式の太陽光発電設備を見たことがあると思います。

しかし、太陽光発電の普及に伴い売電は毎年下落しており、さらに新規売電契約の保留を発表する電力会社も現れ、今後、太陽光発電事業が抑制されつつあるのではないかと考えられます。

また、最近では「太陽光はもうやっているので、他の活用方法はないだろうか?」というご相談をいただくようにもなりました。

そこで今回は、「公的機関による農地の転貸」ともいうべき農地中間管理機構についてご紹介したいと思います。

農地中間管理機構についてよくある質問はこちらをご覧ください。

農地中間管理機構とは

農地中間管理機構(以下「機構」)とは、「農地中間管理事業の推進に関する法律」に基づき、都道府県から指定された組織で、各都道府県に1つだけ存在しています。

農地中間管理機構は、地域内に分散し複雑化している農地の利用を整理するため、主に農地の所有者から農地を借り受け、まとまりのある形で利用できるように配慮して農業の担い手に貸付ける事業を行っています。

愛知県では、愛知県農業振興基金が農地中間管理機構としてその事業を行っています。

農地中間管理機構の主な事業内容

農地中間管理機構では、主に次のような事業を行っています。

  1. 農用地等の借受け(農地中間管理権の取得)
  2. 農用地等の貸付け
  3. 借り手が希望した場合の利用条件改善
  4. 貸し付けを行うまでの間の管理

農地中間管理権

賃貸借・使用貸借による権利、所有権(農地貸付信託によるものに限る)、農地法43条に規定する遊休農地を利用する権利のこと。

事業のイメージ

中間管理機構のイメージ

農地中間管理機構を利用するメリット

農地中間管理機構を活用することで、次のようなメリットがあるとされています。

  1. 農業を辞めた場合の次の担い手を探してもらえる
  2. 利用権をまとめて分散した農地をまとめることができる
  3. 農地を借りたい人を募集してくれる
  4. 新規就農者も農地を借りることができる
  5. 機構集積協力金の交付を受けることができる

① 農業を辞めた場合の次の担い手を探してもらえる

例えば、高齢が原因で農業を辞めることとなった場合、個人で担い手を探したり直接交渉するのは大変な作業となります。

また、個人間の貸し借りではお互いの信頼関係が築かれていないと、なかなか貸すことができないという問題もあります。

農地中間管理機構に貸し出すことで、機構が担い手の希望を踏まえて農地を集約化できるよう配慮して転貸することが可能となります。

貸し手にとっては、公的機関に貸すという安心感もあるでしょう。

② 利用権をまとめて分散した農地をまとめることができる

複数の農地を賃貸して耕作している場合、借りている農地があちこちに点在していると、時間や収穫高などあらゆる面でロスが発生してしまいます。

かといって、個人で農地の賃貸借権を交換するのはとても手間がかかります。

そこで、利用権を交換したいと考えている担い手それぞれが機構に権利を移転し、機構が農地を集約して転貸するという形にすることで、利用権の交換が一括して行えるようになります。

農地集約のイメージ

集約のイメージ

③ 農地を借りたい人を募集してくれる

農地を貸したいと思いつつも、借り手が見つからないだろうということで諦めてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。

機構では、借受けた農地を適正に管理しつつ、同時並行で借受け希望者の募集し、早期に農地として有効活用できるように努めています。

④ 新規就農者も農地を借りることができる

新規就農者であっても、公募に応募すれば構から農地を借りることができる可能性があります。

⑤ 機構集積協力金の交付を受けることができる

機構に農地を貸し出し、一定の要件を満たすと機構集積協力金が交付されます。

交付対象は、地域に対するものと個人に対するものがあり、両方の交付を受けることも可能とされています。

地域に対する支援 【地域集積協力金】

地域の話し合いにより、担い手に農地を貸し付けるため、機構に農地を貸し付けた場合、地域内の全農地のうち機構に貸し付けた割合に応じた単価に、機構に貸し付けた面積を乗じた金額が市町村から交付されます。

交付額は以下の通りです。

貸付割合 交付単価
2割超5割以下 2.0万円 / 10アール
5割超8割以下 2.8万円 / 10アール
8割超 3.6万円 / 10アール

協力金の使い道について

地域集積協力金の使い道は、地域が都道府県、市町村と相談の上、地域農業の発展に資すると考えられる方法で自由に使用することができるとされています。

人・農地プランの作成が条件

地域集積協力金の交付を受けるためには、人・農地プランの策定が条件となっています。

人・農地プランとは、地域の抱える問題に対して地域の方々が徹底的に話し合い、その問題を解決するための「未来の設計図」のことです。

人・農地プランでは、次のことを決めることになっています。

  1. 今後中心となる経営体(個人、法人、集落営農)はどこか
  2. 地域の担い手は十分確保されているか
  3. 将来の農地利用のあり方
  4. 農地中間管理機構の活用法人
  5. 近い将来の農地の出し手の状況
  6. 中心となる経営体とそれ以外の農業者の役割分担を踏まえた地域農業のあり方

交付対象となる「地域」の定義

交付対象となる地域とは、集落・学校区など、実際の話し合いの単位となった同一市町村内の区域のことをいいます。

個々の出し手に対する支援(1) 【経営転換協力金】

経営転換協力金は、経営転換やリタイヤする農業者、農地の相続人で農業経営を行わない者については、機構に10年以上農地を貸し付けて、機構から担い手に貸し付けられた段階で協力金が市町村から交付されます。

交付額は以下の通りです。

貸付面積 交付単価
0.5ha以下 30万円 / 戸
0.5ha超2.0ha以下 50万円 / 戸
2.0ha超 70万円 / 戸

個々の出し手に対する支援(2) 【耕作者集積協力金】

耕作者集積協力金とは、機構が借り受けている農地に隣接する農地を、機構に10年以上農地を貸し付けて、機構から担い手に貸し付けられた段階で市町村から交付される協力金です。

交付単価
2万円(平成27年度) / 10アール

農地中間管理機構を利用する際の留意点

機構を利用する際の留意点を、貸し手・借り手の観点からまとめてみました。

貸し手の留意点

機構に農地を貸し出すことをお考えの方は、以下の点にご注意ください。

  1. 貸し出すことができる農地は、農業振興地域内に限ります。
  2. 再生不能と判定されている遊休農地など、利用困難な場合は貸し出すことができません。
  3. 区域内で貸し付ける可能性が著しく低い場合は、貸し出すことができません。
  4. 機構が借り手を公募した区域内にある農地が対象となります。
  5. 貸出期間はおおむね10年間となります。
  6. 機構に貸し出した後、借り手が見つからないまま3年が経過した場合、中間管理権は解除されます。
  7. 機構が借り受ける借地料は、その地域における通例を参考にして定められます。
  8. 借地料は、毎年8月1日を基準日とし、12月末までに指定口座へ振り込まれます。

どんな農地でも貸し出すことができるというわけではなく、農振区域内の農地に限定されています。

農振区域は優先的に農地を保護すべき区域ですので、国の事業として重点を置くことは当然なのかもしれません。

借り手の留意点

機構からの借り受けを検討されている方は、以下の点にご注意ください。

  1. 借り受けを希望する場合は、公募に応募することが必要です。
  2. 公募は、市町村意見を踏まえ、市町村全域、町、字、またはその他の区域を設定します。
  3. 公募は年3回(6月、9月、1月)実施されます。
  4. 公募期間は、公募開始から30日間となります。
  5. 公募のお知らせはホームページにより行われます。
  6. 応募した方について、区域ごとに応募者のリストを作成し、ホームページで公表します。
  7. 応募者リストの有効期間は、募集開始の日から1年間となります。
  8. 応募者リストからの削除を希望する場合は、借受希望取下書を提出する必要があります。
  9. 借り手の決定は、機構が定める「貸付先決定ルール」に基づいて行われます。
  10. 機構が貸し付ける農地の借地料は、その地域における通例を参考にして定める金額となります。
  11. 機構に支払う借地料は、毎年8月1日を基準日とし、12月20日までに機構に納入します。
  12. 機構から借り受けた農地の利用状況を毎事業年度終了後、3ヶ月以内に機構に報告する必要があります。

いつでも応募できるというわけではなく期間が決められていますし、ホームページでの募集となりますので見逃さないように気を付けましょう。

貸付先決定ルール

貸付先決定ルールはこちらです。(愛知県農業振興基金より出典)

※クリックすると拡大できます。
貸出先決定ルール

応募方法

機構を利用して農地の貸し借りを希望する場合は、貸し出したい方については「農用地貸出希望申込書」、借り受けたい方については「農用地等借受申込書」に必要事項をご記入の上、農業委員会またはJAに提出します。

詳しくは農地中間管理機構のホームページにてご確認ください。

愛知県農地中間管理機構

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ひょっとして、国がこんな事業をしているなんて知らなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

耕作を辞めてしまった方にとっては、農地を耕作してもらいつつ賃料を受け取り、さらに協力金を受けることができる事業となっていますので、うまく活用できればかなりメリットがある事業なのかもしれません。

遊休農地の活用方法の一つとして検討されてはいかがでしょうか。

参考にしてみてください。

借受応募の結果(平成27年1月30日~3月2日募集)

愛知県で公募された第3回借受応募の結果は、次の通りです。

市町村 区域 応募者数 借受希望面積(a)
一宮市 全域 35 73,380
瀬戸市 全域 0 0
春日井市 全域 3 500
犬山市 全域 1 2,000
江南市 全域 4 2,410
小牧市 全域 8 5,580
稲沢市 全域 19 49,580
尾張旭市 全域 5 1,130
岩倉市 全域 4 12,000
豊明市 全域 0 0
日進市 全域 0 0
清須市 全域 2 4,500
長久手市 全域 1 30
東郷町 全域 2 31
大口町 全域 6 24,068
扶桑町 全域 5 2,400
津島市 あいち海部 16 2,450
海部東 3 9,000
愛西市 全域 40 9,730
弥富市 全域 22 22,500
あま市 全域 14 31,170
蟹江町 全域 3 3,000
飛島村 全域 11 37,960
半田市 全域 9 3,910
常滑市 全域 32 28,420
東海市 全域 1 100
大府市 横根・北崎 4 2,000
知多市 全域 5 15,600
阿久比町 全域 13 18,650
東浦町 全域 9 2,340
南知多町 全域 22 13,400
美浜町 全域 11 3,860
武豊町 全域 5 14,100
岡崎市 2 300
東部 7 11,850
額田 2 300
六ツ美 13 13,932
矢作 18 11,680
小計 42 38,062
安城市 全域 5 11,800
西尾市 全域 3 3,400
幸田町 全域 9 10,150
みよし市 全域 4 5,150
新城市 全域 0 0
設楽町 全域 0 0
東栄町 全域 0 0
豊根村 全域 1 50
豊橋市 全域 3 30,050
豊川市 全域 9 1,850
蒲郡市 全域 0 0
田原市 全域 23 16,200
合計 414 512,511

農業従事者の減少が危惧されている中でも、意外に借受けを希望している方はいらっっしゃるんだという印象を受けます。

しかし、実際にはまだまだ足りないというのが現状でしょう。

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代表者 行政書士 織田 隆史
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