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離婚による財産分与と農地の権利移転

Q.離婚による財産分与によって農地の権利が移転する場合、農地法3条の許可を受ける必要がありますか?

A.許可を受ける必要はありません。ただし、当事者の協議によって財産分与を行う場合は許可が必要です。

離婚によって財産分与が行われ、農地がその対象となることも十分考えられます。

農地法3条1項12号によって、協議離婚、婚姻取消しまたは裁判上の離婚の際に裁判または調停によって財産が分与されることは適用除外とされています。

したがって、裁判または調停によって農地が分与される場合には、農地法3条許可を受けなくても権利移転は可能です。

一方で、裁判や調停によらず当事者間の協議によって農地を分与するときには、3条許可が必要になります。

なお、当事者間の協議は財産分与に関することであり、離婚そのものが協議離婚であるか否かは関係ありません。したがって、協議離婚ではあるが調停または審判によって農地の財産分与をするときは、3条許可は必要ありません。

Q.離婚を原因とする財産分与による農地の所有権移転登記に農地法の許可書は必要ですか?

A.許可書は必要ありません。ただし、財産分与を当事者の協議で行った場合、許可書が必要です。

離婚よる財産分与で農地の所有権を移転する場合は、家庭裁判所の関与があるかどうかによって農地法の許可の要否に関する取扱いが異なっています。

前述の通り、当事者の協議による財産分与の場合は許可が必要で、調停または審判による財産分与の場合は農地法3条許可は必要ありません。

したがって、所有権移転登記についても、農地について財産分与が協議によってなされた場合は登記申請に農地法の許可書は必要ですが、調停または審判の場合は許可書は不要です。

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