農地転用の届出もしくは許可を受ければ、農地は宅地になると勘違いしている方がちょくちょくいらっしゃます。
農地転用許可はあくまで「農地を農地以外に使ってもいいですよ」という許可であって、地目を変更するための許可ではありません。
したがって、農地転用の許可を受けていても、現況が農地であればそれは農地として扱われます。
※固定資産税について宅地並みの課税がされることになります。
詳しくはこちらの記事をお読みください。
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宅地介在農地
では、農地はいつ宅地になるのでしょうか?
現況宅地になったら宅地になる
登記の地目が農地であっても、実際に家が建っていれば、それは宅地です。つまり、現況が宅地であれば、その土地は紛れもなく宅地になります。
しかし、紛れもなく現況が宅地であっても、それを第三者に書面で証明することはできません。なぜなら、登記が農地のままになっているからです。
登記を農地から宅地にするためには、地目変更登記をする必要があります。
地目変更登記をすることで名実ともに宅地となる
現況が宅地であって、登記が宅地に変更されれば、誰がどう見ても間違いなく宅地と認められます。
ここで、どのタイミングで現況が宅地であると認めるかが問題となります。農地を造成して整地した段階で宅地になったと考えるのか、それとも建物が完成したら宅地になったと考えるのかという問題です。
この判断はとても難しく、一概には申し上げられませんが、一般的に基礎工事が完了した時点で住宅の建築が明確になったと判断され、地目変更登記が可能になるとされています。
したがって、名実ともに完全に宅地になったといえるのは、基礎工事が完了した時点ということになります。もちろん登記完了後の話です。
中間地目では地目変更できない
中間地目とは、ある地目からその他の地目へ変更される途中の地目のことです。
例えば、農地に住宅を建てる過程で、農地を造成して整地した状態で一時的に駐車場として利用したている場合などです。
この時、農地から宅地へ変更される途中の一時的な状態であるため、青空駐車場として雑種地への地目変更はできません。
地目変更登記は建物表題登記と同時にするのが一般的
建物が完了した後、その建物の物理的状況(所在、床面積、階数、構造など)を登記しなくてはなりません。これが建物表題登記です。建物表題登記は法律上の義務になっていて、期限は新築から1ヶ月以内です。
前述の通り、基礎工事が完了した時点で宅地として地目変更登記が可能になりますが、建物完成後に義務である建物表題登記と同時に地目変更を行うのが一般的なタイミングといえます。
建物表題登記のご相談はお近くの土地家屋調査士にするとよいでしょう。
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